かごしま子ども夢大学

2019 総括リポート vol.4

〝生きる力を学ぶ〟キャリア教育を!

 キャリア教育の一環として、県内の小学5・6年生30人が働く意味を学んだ「かごしま子ども夢大学」。総括リポートの最終回では、講師として携わった、鹿児島市立八幡小学校教諭・兒玉拓世さんに、キャリア教育の展望を聞きました。

小学校教諭の兒玉拓世さん。講座を通して、子どもたちに「働くことの意味」を問い続けました

 かごしま子ども夢大学で、第2回から6年間にわたり、講師として携わってきた、小学校教諭の兒玉拓世さん。「少子化やAIの技術の進歩で予測不可能な社会になります。新しい時代に柔軟に対応できるよう、小学校でもキャリア教育は特に力を入れていかなければならない学習です」

 子どもたちが今後社会に出たときに、身に付けた力で何ができるのか、どんな人間になっていくのか、自分の人生をデザインすることが大事、と話します。

 「夢大学は、職業そのものではなく、働く人〝働きマン〟の生き方・感じ方を通して、働く意味を見つめていくプログラム。働きマンの話を聞き、実際に働く姿を見て、自分自身に重ねることが、将来や生き方を考えるきっかけとなります。これは学校教育で目指している形にも近いんです」

■人との関わりから学ぶ

講座では、「人はお金のために働くの?」をテーマに討論会も

 兒玉さんが講座で行う「セルフスピンドル」は年々進化。自分の夢だけでなく、興味に合う仕事も候補に入れて、将来の選択肢を広げることの大切さに重点を置くようにしました。「今ある職業がこの先も同じようにあるかは分かりません。将来の夢が決まっていても決まっていなくても、視野を広く、興味を持って世の中を見ていく必要がある時代だと思います」

 今年の講座では、人とコミュニケーションできる場を多く設定。「将来働く上で大事なのは、コミュニケーションとチームワーク」と、一貫して伝えてきた兒玉さん。「子どもたちがさまざまな人とコミュニケーションを取れるように、大人からも声掛けしてほしい」と、社会や家庭との関わりの重要性も強調します。

 子どもたちが社会で自立していくために、〝生きる力〟を学べるキャリア教育の充実が、今後ますます求められます。