「夢の選択肢が広がりました」
キャリア教育の一環として、県内の小学5・6年生40人が働く意味を学んだ「かごしま子ども夢大学」。総括レポート第2弾では、前回に引き続き、参加した子どもの成長を間近で見つめた保護者の目を通し、キャリア教育の可能性を探ります。
かごしま子ども夢大学の講座では、率先して意見を出すなど、活発な様子を見せていた小学5年生の梅本寛太くん。
「一人っ子なので、できるだけたくさんのことを体験させたいと思い、応募を勧めました。初めは親子ともに緊張していましたが、第1回の講座を終えて帰るときには〝これから楽しく講座を受けられそう〟と話していたので安心しました」と話すのは、この夏、息子の様子を見つめてきた母親の美佐江さん。
行き帰りの車中が、講座のことや仕事のことなどを話す時間になっていたという梅本さん親子。ベガハウスでの職場体験が強く印象に残っていて、「いつものように迎えにいくと、車に乗り込むなり〝ほら、これ今日作ったんだ〟と、銅板で作った折り鶴を大切そうに見せてくれました」。
職場体験では、家づくりの現場を訪ね、職人の仕事を見学したり、実際に釘打ち体験にも挑戦。緊張感のある現場を見て「家づくりの現場はすごかった。〝ふざけると危ない〟という言葉が心に残っている。働くって大変だけど、楽しそうだと感じました」と寛太くん。
■知ることで広がる世界
小学校高学年は、漠然とした夢だけでなく、職業としての仕事を具体的に思い描き、目標を持つ時期。「講座を通して、世の中にはたくさんの仕事があることを知り、夢の選択肢が広がっているのを感じました。実際に働く大人から、仕事の厳しさと楽しさを教わった経験は大きいですね」と美佐江さん。
企業や地域が協働する〝キャリア教育〟。学校や家庭以外の大人と触れ合うことで広い世界を知り、将来の生き方を考えるきっかけにつながっています。