かごしま子ども夢大学

2018 総括リポート vol.1

「将来のイメージが膨らみました」

 キャリア教育の一環として、県内の小学5・6年生30人が働くことの意味を学んだ「かごしま子ども夢大学」。総括リポート第1弾では、参加した子どもと、その成長を間近で見つめた保護者の視点から、キャリア教育の可能性を探ります。

実際に職場を訪れ、働く人の話に熱心に耳を傾ける河野さん

 かごしま子ども夢大学に参加した、小学5年生の河野小夜子さん。「子どもと働くことについて話すことはあまりなかったし、学校で教わらないことが学べそう」と母親の優子さんは、夢大学への参加を勧めた時の思いを振り返ります。

 「最初はすごく緊張しました。でも後半は、他の子たちに自分から話すようになりました」と小夜子さん。積極性が出たことに、優子さんもうなずきます。

 講座の中で特に印象に残ったのが、セキスイハイム九州鹿児島支店の職場見学。「多くの人が関わって家が建つことが分かりました」と小夜子さん。以来、親子で外出して建築現場の家を見ては「あの家もいろんな人が頑張っているから建つんだね」と話すようになったと言います。

 

子の変化を親が実感

 夢大学のプログラムが終了してから、子どもの働くことへの意識が変わったと話す優子さん。

 「働く人への見方が変わりました。例えば飲食店に行った時、今までなら〝お店の人〟。でも今は〝お店で働いて給料をもらっている人〟なんです。働く人の目的を意識するようになりました」

 そして一番身近な父親の仕事に対しても、興味が注がれるように。「なんとなくしか知らなかったけど、今はどんな仕事なのか説明できます」と小夜子さん。と同時に「感謝の気持ちも出てきました」と添えます。

 教師や医者など将来の夢をいくつか抱く小夜子さんに対し、「今はそれでいいと思います。夢大学でいろんな仕事があることを知り、働く人の話を聞いて将来の夢が今まで以上にイメージできてきたようです」と優子さん。子どもの成長を、親が一番実感しています。

 

「かごしま子ども夢大学」に参加した河野小夜子さん(小5)と、母親の優子さん