「自分の夢に自信が持てたようです」
キャリア教育の一環として県内の小学5・6年生30人が働くことを学んだ「かごしま子ども夢大学」。総括リポート第2弾では、参加した子どもに芽生えた思いと、親が感じた子どもの変化を通して、キャリア教育の意味を探ります。
小学5年生の荒田駿輔くんは、母親の知子さんの勧めでかごしま子ども夢大学に参加しました。
「駿輔は幼稚園の頃からなりたい夢がありました。でも、学校で何のために勉強しているのか、いまひとつ仕事とつながらなくて、親としてもうまく説明できていませんでした。夢大学では、大学の先生から働く目的などの話が聞けるので、何か感じてくれれば、という思いでした」
象が好きで、飼育員になるのが夢だった駿輔くん。しかし夢大学に参加して、変化が。「財務省で働いてみたい、と言い始めた時は驚きました。予算を振り分ける講座がとても楽しかったんだそうです」と父親の弘文さん。
また知子さんは、「内向的だと思っていましたが、副班長に立候補したり、講座でも自発的に発表したりと、積極性が生まれました」と話します。両親ともに、子どもの意外な一面を発見できた、と振り返ります。
■新たな考えの芽生え
夢大学のプログラムで駿輔くんが特に印象に残っているのは職場体験。「介護の職場を見てきましたが、みんなが協力して楽しそうに働いていました。お金を稼ぐことも大事だけど、好きな仕事や楽しめる仕事に就いて、長く働きたいです」と駿輔くん。財務省で働くという新しい夢も見え、今はその実現に向け、目的を持って学校の勉強にも取り組んでいます。
「講座の話や職場体験、他の学校の子どもたちと触れ合ったことで、駿輔の将来のイメージが広がりました。他の仕事も見てみたい、と話すようになり、夢大学がいろんな仕事に興味を持つきっかけになったと実感しています」と知子さん。夢大学というキャリア教育を通し、子どもの可能性の広がりを感じています。