かごしま子ども夢大学

2018 総括リポート vol.3

「子ども目線は想像以上でした」

 キャリア教育の一環として、県内の小学5・6年生30人が働くことの意味を学んだ「かごしま子ども夢大学」。総括リポート第3弾では、講座を通して子どもたちの姿を見つめた協賛企業の目を通して、キャリア教育の可能性を探ります。

慶生会の職場体験で、子どもたちは高齢者をサポートする仕事を体験しました

 かごしま子ども夢大学の協賛企業の一つ「慶生会」は、子どもから高齢者まで福祉に関するサポートをしています。

 子どもたちを迎えての職場体験。「看護師やリハビリの仕事の他、うちにはパティシエもいて、パン作りも体験してもらいました。一般的には福祉なら介護やお手伝い、パティシエならケーキ屋さんというイメージですが、福祉の世界にもいろんな職種の人がいて成り立っていることを知ってほしかったんです」と、担当した前畑淳一さんは話します。

 「リアルな体験が子どもたちの知識を広げていくんだと思います。向き・不向きもありますから、福祉に限らず、子どもたちには多くの経験をして将来の選択肢を広げてほしいと考え、職場体験の内容を考えました」

 

夢大学での子どもたちの様子を語る慶生会の前畑淳一さん

子どもの興味に応える

 子どもたちに仕事を紹介する中で、前畑さんが驚かされたことがあります。「興味や関心がとても高いんです。許容範囲を超えて知識や経験を吸収しているようでした」

 仕事について説明した時には、質問攻めだったそう。「給料はいくら?

誰が偉いの? など、ドキッとする質問を投げ掛けてくるんです」と笑います。「大人なら聞きにくい質問ですが、組織や会社の縮図を知るためには必要な質問ですよね。いろんなことに接し、生まれた疑問をその場でぶつける子どもの積極性を、大人は大切にするべきだと思います」

 小学5・6年生の子どもたちと向き合って「〝子ども目線〟は、私たちの想像をはるかに超えていました」と振り返ります。子どもの視点で積極的に知識を広げる小学生の時期だからこそ、職場体験には意義があったと実感しています。