かごしま子ども夢大学

2018 総括リポート vol.4

リーダーの資質を培うキャリア教育

 キャリア教育の一環として県内の小学5・6年生30人が働くことの意味を学んだ「かごしま子ども夢大学」。総括リポートの最終回は、講座や職場体験の講師を務めた志學館大学准教授の志賀玲子さんにキャリア教育のポイントを聞きました。

グループ内で積極的に意見を述べ合う子どもたちを見守る志賀さん(左)

 第1回から「かごしま子ども夢大学」に携わる、志學館大学准教授の志賀玲子さん。毎回、子どもたちの成長に感動を覚えるそう。今回もあらためて、プログラムの有用性を実感しました。

 昨年と今年、文部科学省により改訂された、学校現場における学習指導要領。その中で核となる「主体的・対話的で深い学び」という方針を夢大学は先取りしている、と志賀さんは解説します。

 〝主体的〟とは、子どもたち自らが学習意欲を向上させ、自分で関わり表現すること。〝対話的〟とは、人と協力・協調・協働し、言葉にして学びを深めること。

 「夢大学は、違う学校の子どもたちとの出会いの場でもあります。主体的に動かないと行動できません。またグループ活動が非常に対話的である上、社会人や講師、保護者との対話の場面も多いので、今求められる学習方針に沿っていますね」

 また、子どもたちが地域や産業など社会と関わる夢大学は、学習指導要領の基本的な考え方である「社会に開かれた教育課程」の方向性も持っている、と加えます。

 

 

活躍できる人材を育む

志賀さんが指導した志學館大学の職場見学の様子

 「夢大学は、学校の他、将来的に地域や社会でリーダーとなって活躍するための人材を育む場です」と志賀さん。主体的に取り組むことで育まれる意欲、対話により培われるコミュニケーション力。これらは、リーダーとして必要不可欠ともいえる資質です。

 「キャリア教育とは、学校から社会へ円滑に移行するための教育です。その観点から見ると、社会人となって周囲を意識的に巻き込み、社会で力を発揮できる能力が、夢大学では育まれると思います。将来、夢大学に参加した子どもが社会で活躍する話が聞けるとうれしいですね」