かごしま子ども夢大学

2013 総括リポート 最終回

注目集めるキャリア教育で

「子どもも大人も成長を!」

 

 県内の小学5・6年生40人が働く意味を学んだ「かごしま子ども夢大学」。総括リポート最終回となる今回は、志學館大学准教授で生涯教育・キャリア教育が専門の志賀玲子さんに、現代社会におけるキャリア教育の展望を聞きました。

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「目をキラキラ輝かせる小学生に大きな刺激を受け、 大学としての使命も痛感しました」と話す志賀さん

 「キャリア教育の素晴らしいところは子どもだけが成長するのではなく、関わる側の大人も成長できること。自分はどんな気持ちで仕事をし、やりがいを感じているのか、自分の言葉で子どもに伝えるうち、多くの気付きを得られるんです」

 柔和な表情でそう語る志學館大学の准教授・志賀玲子さん。子ども夢大学の第1講座ではコミュニケーション力を磨くワークショップの講師として参加。その後も積極的に講座に関わり、子どもたちの成長ぶりを間近で見てきました。

 「ここ数年、文部科学省は子どもたちの生きる力を育むため、学校現場でのキャリア教育をより一層強化しています。実際、小・中学校では働く大人の話を聞く機会を増やすなど、徐々に取り組みが始まっていますが、学校だけでなく、企業が積極的にキャリア教育に関わることは非常に意義あることだと思います」

■心にわくわくエンジンを

 一昔前に比べると異年齢同士で遊ぶ機会が減り、大人との関わりも極端に少ない現代の子どもたち。だからこそ、知らない人ともコミュニケーションできる力を身に付け、受け身ではなく自ら行動できる「わくわくエンジン」を心に持つことが大切、と力を込めます。

 「キャリア教育は1回受ければOKというものではありません。将来社会とどう関わっていきたいか、家庭でコミュニケーションを続けることで、子どもはわくわくエンジンのスイッチを入れられるようになります。ぜひ、生き方や考え方について親子の会話を深めていただきたいですね」

 今後、さらにニーズが高まるキャリア教育。大人も子どもと一緒に成長していく姿勢が、実を結ぶ鍵になりそうです。

志學館大学での職場体験では、志賀さんも直接子どもたちと関わりました

志學館大学での職場体験では、志賀さんも直接子どもたちと関わりました